業務ハックLab -とある情シスの備忘録-

とある情シスの備忘録的なものです。

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会社で使う検温報告アプリを作った時の話

今日はちょっと前の話になるのですが会社で検温報告のアプリを作った時のお話です。

■アプリを作成することになった経緯

全国的な緊急事態宣言が出る前の4/1、私が所属している会社でもCOVID-19への対策として社員の検温報告を義務化する話になりました。

経営陣からは「社員全員が簡単に入力できる」、「スマホからでも入力できる」、「発熱者がいた場合、直ぐにわかる」ようにしたいという話で、「EXCEL社内SNSに共有できるようにして、今日中に!!」という指示がきました。

確かにEXCELだったら直ぐに対応できるんですが最初の要件の3つを満たすには正直、EXCELでは無理でした。

そこで経営陣には恐らくこれから機能の追加などを考えるとEXCELで運用するのは無理があるし、「誰も」が「簡単」に手持ちの「スマホ」で入力する事は難しい事を伝え、別の方法を考えるのでもう一日猶予が欲しいという旨を伝え、了承して頂きました。

さて猶予は貰いましたがたった一日、上記の要件を満たし、尚且、次の日迄には導入が可能なものとなると、限られています。

そこで思いついたのが「Power Apps」を使ったアプリの開発でした。

■構想からアプリ配布まで

アプリやシステムの開発は要件定義から始まり、設計、開発、テスト、そしてリリースといった工程を要します。

簡易的なアプリだとしても外部に依頼すると、とても1日で仕上げて納入してもらうなんてことは不可能に近いです。

しかし、今回使用したPower Appsなどのローコードアプリ開発のソリューションで有れば市民開発者が自分の欲しい機能を自分自身で開発することで、本来であれば非常時間のかかる要件定義は不要となります。

また、開発、テストの段階でも自分の想定していた通りの動きになっているか、自分自身で確認をしながら進めること外部できるのでここでも時短が可能です。

結果としてですが今回、15時頃にPower Appsで作成する事に決定してからアプリを社内展開するまで5時間で完了しました。

■アプリ展開後の流れ

こうして短時間で欲しい機能のみをまず優先して開発したアプリですが当然のことながら、修正や機能追加が当然発生します。

特に全社で使用するアプリで有れば尚更です。

ここでも強みを発揮するのがPower Apps!!

アプリを稼働させつつ、簡単に機能追加や修正が可能です。

開発自体を内製化することで不具合があった場合の対処のスピードやコストといった面では外部委託では得られない優位性を得ること外部できます。

実際の話、検温報告アプリは10回近いバージョンアップをしていて最初の頃の面影がほとんどありません(笑)

■開発のPDCAを高速で回すことができる意味

前段で述べた通り、ローコードアプリ開発のソリューションでは開発のPDCAを高速回転させることができます。

要はとりあえずやってみて、早い段階で失敗することができるのです。

そしてその失敗をもとに改修を行う。

この手法って業務改善の手法と合致するんです。

早くそして多く失敗出来ることで改善の気づきを多く得ることができ、尚且つその気づきを素早く形に出来る。

これってほんとに素晴らしいです。

■Power Appsとの出会い

2017年に会社でOffice365を導入した際にOffice365アプリ群の中にあったPower Appsのアイコンに目が留まったのがPower Appsとの出会いです。

その当時は「Office365のアプリでこんなものがあるんだ。時間あるときにさわってみよう。」といった程度の興味しか持っていませんでした。

■アプリ作成と挫折

そんなこんなで2年位前に業務アプリの作成をする機会がありました。

それは営業向けの顧客管理と案件管理のアプリです。

外からでも案件管理の情報を最新版にできるようにしたいという営業マネージャーからの依頼を受けての作成でした。

当時はコミュニティーの存在を知らず、Google検索をしてもあまり日本語の情報はありませんでした。そんな中で吉田 大貴さんのブログ「吉田の備忘録」で情報を得て、なんとか作ったアプリでした。

しかし頑張って作ったその管理アプリはほとんど使用されることなくお蔵入りとなってしまいました。

もともと案件管理については現場サイドの社員は月一の定例報告会の為だけに作っていたようで、日々記録をつけるのは面倒という意識しかなかったようです。

アプリを使用する目的自体、営業マネージャーから落としていただいていたのですが、現場の反発が非常に強く浸透することはありませんでした。

結局その後、Power Appsで何か作るということもなくなりました。

ただ心の底ではすごく使えるソリューションなんだけどなという気持ちがありました。

■勉強の再開とコミュニティへの参加

業務アプリを作らなくなってから約1年くらいの時間が経ち、当時、私は社内でのTeamsの利活用推進と倉庫の在庫の見える化について活動をしていました。

ちょうどその時、東京でMicrosoft ignite 東京が開催されていることを聞き、また同時にPower Apps関係のコミュニティの集まりがその週末にあるとの情報を入手しました。

Teamsの利活用方法もそうですが、Power Appsで在庫棚卸のアプリを作れないか悩んでた私は上司に許可を貰い、igniteでの情報収集と合わせ、その週末に行われたPower Platfom Day Winter'19に参加をしました。

今までコミュニティなどには参加したことがなく、どんな感じなのかなと思ってイベントに参加したのですがそこで感じたのはコミュニティ運営の方々のPower Platformへの並々ならぬ情熱でした。

その熱に感化されたのと同時に、2年前にはそこまで情報がなかったPower Appsに関連する情報が格段に増えていてこれならもう一回しっかり勉強してみようと心に決めました。

■再開して意識してするようになったこと

まずは自動作成されたアプリの中身をしっかり見てみること。

基本的な関数が多く使われてるのでその一つ一つの動きを分解して試してみるということを繰り返しました。

わからないことがあれば前回挫けたときに比べてPower Appsに関するブログを書いている方が格段に増えたのでわかるまで調べる、わからなかったらTwitterで疑問を上げてみるなどをして先人の方々のお力を借りつつ、自分のレベルの底上げをしました。

そして基本的な構造を覚えたあとは1から自分でアプリを作成しました。

自動作成されたものと同じものを1から作ることで最終的に学んだ関数を自分の身につかせるということをしていました。

あとはとにかく多くのアプリを作ること!

幸いPower Appsは個人の検証環境を構築できるので業務アプリから家庭で使うようなアプリ、そしてコミュニティーの勉強会でのハンズオンで作るアプリと、とにかく数を作ることで、新たな関数の学びや技術の学びに繋がりました。

 

今回は文字のみの書きなぐった記事になってしまいましたがPower Appsは本当に楽しいです。

アプリを使って業務が楽になった時には本当に嬉しいです。

皆さんもご興味があれば是非使ってみてください!!

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